5月9日、東京で日本・中国・韓国による三国首脳会談を開かれます。
中国からは国家のナンバー2である李克強(リー・クォーチャン)首相、韓国からは文在寅(ムンジェイン)大統領が参加する予定。二人にとっては、初の来日となりました。
今回は、その3カ国首脳会談の意図や日本のメリットなどをザックリ解説します。
首脳会談を、なんで今?
ではなぜ今、日中韓首脳会談を開くのでしょうか。
その理由は2つ。
1つ目は、北朝鮮問題に関して日中韓での認識のすり合わせを行うためです。
北朝鮮は4月下旬に韓国と南北首脳会談を行うなど、急速な進展を見せています。また、6月までには米朝首脳会談が行われる予定です。
安倍首相はその前に、北朝鮮に関する、拉致・核・ミサイル問題などについて日中韓の意見のすり合わせ、道筋を共有しておきたいという考えがあるようです。
2つ目の理由は首脳間協議の停滞です。
中国首相が日本を訪れるのは8年ぶり。さらに韓国大統領も6年ぶりの来日となります。
安倍首相は「日中、日韓関係の今後の発展のためにあらゆる角度から議論を尽くす」と語りました。東アジア関係が良好になることは、経済や貿易の面で大きなメリットがもたらされることが期待されます。
海外の反応は?ニューヨークタイムズの事例
ニューヨーク・タイムズ紙は今回の日中韓首脳会談開催に関して、日本が再び外交の最前線に立つチャンスだと報じました。
日本を除いた北朝鮮、中国、韓国間で進展を見せていた「北朝鮮問題」
これに日本が関与するきっかけになるチャンスかもしれません。
さらに、東アジア情勢に詳しい米イェール法科大学主任教授のミラ・ラップ=フーパ―氏は「安倍晋三首相が、米国の大統領との関係に依存しない形で、急速に変化する地域の中で自らの政治的地位を持ち直す絶好の機会となるだろう」との認識を示しました。
日本の3つのチャンス?
ではこの日中韓首脳会談で日本はどんなチャンスを得られるのでしょうか。
まずは北朝鮮の核・ミサイル問題
日中韓で北朝鮮の完全な非核化を支持する共同文書を発表する方針が明らかになっています。北朝鮮の完全な非核化は、韓国の文大統領と金正恩委員長が共同発表した「板門店宣言」に明記されています。この方針を日中韓3か国が支持することで、北朝鮮の非核化や弾道ミサイルの破棄が期待されます。
さらに、日中両政府は首脳往来を通じた関係改善を目指しています。年内に安倍首相の訪中、習近平国家主席の来日を目指しており、今回の李首相の来日はその第一歩になると期待されています。
また、北朝鮮との繋がりが強くなりつつある韓国を通じて拉致問題の前進を図るチャンスがあります。
この日中韓首脳会談を通じて日中韓それぞれの関係改善が図られることで北朝鮮を巡る拉致・核・ミサイル問題が解決に向けて動き出すことに期待が高まります。
今後の動向に注目です。