5月に入り、2019年10月の消費税の増税まで残り5ヶ月を切りました!
このタイミングで消費税増税について、振りかえっておきましょう!
そもそもなぜ、消費税の増税が必要なんだっけ?
増税の主な理由は、医療・介護などの自己負担分以外の給付額や年金の財源である社会保障費の財源不足です。
少子高齢化によって、病院に通ったり年金を受け取ったりする人口は増えるのに対し、主な財源である所得税・法人税を納める労働人口は減り、現役で働いている人たちの負担が大きくなっています。
消費税は、給料に応じて支払う所得税や、会社が収入に応じて支払う法人税とは違い、不景気でも税収が安定しており、高齢者も含め国民全員から平等に税をとれるという利点があります。
増税によって増えた税収は、国の借金の返済、教育の無償化や社会保障制度の見直しに割り当てられる予定です。
消費税の国際比較
税率10%なんて高い!と思うかもしれませんが、世界の消費税率と比べてみるとどうでしょうか?
最も消費税が高い国はハンガリーでは27%,福祉国家として有名なスウェーデン・ノルウェーでは25%,スペインでは21%,ニュージーランドでは15%と10%以上の国は多く、消費税率10%はそこまで高くありません。
軽減税率
しかし、やはり10%に引き上げた直後に物が高くなったと感じる人が増え、消費が落ち込むことが予想されます。
そこで、低所得者への経済的配慮として軽減税率が設けられます!軽減税率とは、2019年10月以降でも生活に必須となる食料品は税率を8%のままにするという制度です。軽減税率の対象となるのは酒類を除く食品表示法にされている飲食料品と週2回以上発行されている新聞で、これらは税率8%で据え置かれます。
軽減税率はお財布に優しい政策ではありますが、混乱を招くとも言われています。
例えば、イートインとテイクアウト両方できる飲食店の場合、イートインの場合は外食と見なされ税率10%ですが、テイクアウトの場合、飲食料品を購入したとみなされるため税率8%となります。また新聞も、定期購読している場合は税率8%となりますが、コンビニなどで買った場合は定期購読とはみなされないので税率10%です。
おわりに
同じ商品でも買い方が違うと金額が変わるなんて紛らわしいですよね。増税が実施される10月までに、どの商品が軽減税率の対象になるのかしっかり把握して混乱を防ぎましょう。
とは言いつつ10%への増税は過去2回延期されており、4月中旬にも安倍総理大臣の側近とされる自民党の萩生田光一幹事長代行が延期もありうるとの考えを示すといったニュースもありました。
10月に予定される消費税の10%への引き上げをめぐり、自民党の萩生田光一幹事長代行が18日、6月の景気指標次第では延期もあり得るとの考えを示し、衆院解散の可能性にも言及した。安倍晋三首相側近の発言だけに、与野党に波紋を広げている。
(朝日新聞デジタル『萩生田氏の発言、広がる波紋 消費増税延期に言及』2019年4月18日)
今回こそ予定どおり増税が実行されるのかにも注目です。
参考文献
・財務省HP『消費税引き上げの理由』
・国税庁HP『税の国際比較』
・コトバンク『社会保障費』