ソフトバンクが 米通信の「経営権」を手放した理由
こちらの質問箱にお答えします。
ソフトバンクグループは4月の30日に、自社の参加でありアメリカ携帯業界第4位のスプリントと同3位のTモバイルUSが2019年をめどに合併することに合意しました。
合併後の社名はなんと「Tモバイル」となり、また現在のTモバイルの最高経営責任者のジョンレジャーがトップに就任するとのことなのです。
ここではソフトバンクがスプリントを買収した経緯から説明しましょう。
ソフトバンクは投資によって事業を拡大しており、常に投資によって成長してきました。
投資をするのには多額のキャッシュが必要です。そこで孫社長はデータ通信業界を牽引することによって新たなキャッシュを生み出そうと考えたのです。
そこで目をつけたのが当時アメリカ第3位の規模を誇っていたスプリント。
アメリカの携帯電話市場はAT&Tとベライゾンの2強状態。
そこでスプリントを買収、さらにT-モバイルも買収して合併させることにより三つ巴の状況にしたかったわけです。
しかし実際にはT-モバイルの買収は破談となり、さらにスプリントも業績不振に陥りT-モバイルに抜かされてしまう結果となります。
孫社長の目論見は失敗し、スプリントはソフトバンクグループにとって大きなガンとなっていたわけです。
実際に米国の規制当局がこの合併を認めるのかは不透明を極めますが、もし決まるとなると20年の3月期からスプリントはソフトバンクグループの連結対象から外れることとなります。
この結果ソフトバンクグループのバランスシートは改善すると見られています。
お荷物であるスプリントを手放して、新たな戦略を見出すのがこの選択の意図であったと考えられます。