世界の人々のおよそ9割は汚染された大気を吸って暮らしている―
そんな報告書が今月世界保健機関(WHO)によって発表されました。
調査は世界108ヵ国で実施され、大気中のPM2.5やその他の微小粒子の量を計測しました。
世界の9割、大気汚染⁈
報告書によれば現在世界の人口のおよそ9割は汚染された大気を吸いながら生活しています。汚染はアフリカや中央アジアを中心に広がり、中国や東南アジア、ヨーロッパでも高い数値を示しています。
私事ながら先日インドのデリーを訪れてきましたが、中央アジアの只中に位置するインド、その首都は統計では292㎍/立方メートルという高い数値を示しています。
この数値、普通に暮らしているとピンとくるものではありませんが、かつて日本の空気が最も汚れていた高度経済成長期の日本の数値の実に約4.7倍にあたります。
歴史上日本が経験したことのない程の大気汚染の中に今、世界はいるのです。
大気汚染で人が死ぬ⁈
WHOの発表によると大気汚染による死者は世界で毎年700万人に上ります。これは東京都の人口のおよそ半分にあたり、世界の死因の10%超を占めていることになります。
この現状についてWHO公衆衛生環境局長のマリア・ネイラ氏は
「世界のメガシティーの多くは大気汚染がWHOの基準を5倍以上も上回り、市民の健康が重大なリスクにさらされている」
「死者は極めて大きな数だ。この報告書が、各国の政策促進につながることを願っている」
とコメントし、世界に対して対策を呼び掛けています。
日本に住んでいると実感しにくい問題ではありますが、世界の中では大問題になっていることを忘れないでおきたいものです。
参考:http://www.sankeibiz.jp/express/news/140326/exd1403260006000-n1.htm