働いて分かった医療の課題
Q. 本日はよろしくお願いします。まずは、鎌田さんの学生時代について教えてください。
高校時代は、フェンシング部の活動に専念していました。朝昼晩フェンシングです。3年生の9月に引退したので、そこから切り替えて受験勉強に専念しました。
大学時代では、大学生にしかできない事をやろうと思いました。バックパッカーとして、マレーシアやカンボジアなどの東南アジアを訪れていました。海外に行くことで自分の生まれた地域や国と比べてみることができ、とても学びになりました。
例えば、東南アジアでは、とても人と人とのつながりが強く、こどもたちも地域で育てられています。だからこそ、子どもを多く育てられるのだと思います。こうして、海外に行くことで、日本の良いところ、改善したほうがいいところが分かり、今の活動に取り組む上での、貴重な経験となりました。
また、大学で生徒の就活を支援する学生団体の立ち上げにも参加し、自身の大学でNPO運営に携わりました。この経験はとても濃い経験だったと感じています。0から1をつくることの大変さを実感し、当時の仲間たちは、今も私の活動を応援してくれています。
Q. 政治家を志した理由は何がきっかけでしたか?
製薬企業・医療IT企業に勤めて、「医療問題は、病院一つ一つで行なっても解決しないことが多い」という事実を実感しました。社会保険料、高齢化、医師不足、介護人材の不足など、地域の課題や制度の問題などを少しずつ改善していく必要があります。これらの問題の本質から解決するには、政治家が一番適していると思いました。
Q. 政治家になったらどのようなことを行いたいですか?
私の行いたいことの中心となるのは「医療」と「子育て」です。この二つを軸に、政策を立てていきたいと考えています。
私が最も重大だと考える課題は、これから人口減少社会になっていく中で、高齢者を支える若者が減っていくことです。若者がしっかりと定着し、高齢の方も元気で過ごせることがこの問題の解決策だと思います。
例えば医療については、コロナ禍で問題になっている医療アクセスをオンライン診療や訪問診療などを積極的に推進して改善したいです。また子育てでは、特に子どもが小さい時には手がかかり、高校・大学と成長するとお金の問題が出てきます。この人手とお金の両方を解決できる政策を進めていきたいと思っています。
政治への期待を持ってもらえる社会に
Q. 若手政治家としての役割はどのような事があると考えますか。
若手政治家として何ができるかと言われると難しいですね。私が考える役割は、投票率を向上させることや政治に対する関心を高めることだと思います。
特に、市議会議員の選挙における20代の投票率は、非常に低いです。投票率の低さの原因として、市議会が何をしているのかわからないことや、市議会の活動が日常生活に直接関係あるのかどうかが理解しにくいことだと思います。
政治家の方々は、この問題に一生懸命に取り組む必要があると思います。10代や20代の方々がしっかりと耳を傾けてくれるようにするためには、若手の政治家が積極的に登場し、このような政治をしていくということを伝えてくべきでしょう。
Q. 若者が抱える諸問題に対して、ご自身の考えを教えてください。
少子高齢化だけでなく、社会保障費の一人当たりの負担額の増加だったり、奨学金の負担だったり、様々な問題があります。ですが。根源的な問題は、政治に対して期待できなくなったというところが大きいと思います。
自分たちの意見が反映されず、諦めている人は多いと思います。国規模で解決するには時間がかかったりするのですが、市議会にはスピードががあります。そして、その議会は一つの選挙で大きく変わります。このような市議会ならではの特徴にも、希望を持って欲しいなと思います。日本に対する諦めの気持ちを、少しでも前向きな気持ちに変えられるように頑張りたいです。
Q. 若者の政治参加を促すためには何をすべきだと思いますか?
この問題を解決するためには、オンライン投票が抜本的な解決策だと考えます。
まずは、小さな自治体からオンライン投票を実施し、実証実験を行いながら、オンラインの投票制度を拡大していく流れができれば、政治参加に繋がると思います。
オンライン投票のメリットは、忙しい方でも選挙に行くことができるようになります。また、投票所に行くのが難しいご高齢の方にも、インターネットを上手く使えるような形で導入することができれば、総合的に考えて全員の人が投票に行きやすくなる新たな選択肢ができると考えています。
一方デメリットは、投票先を自由に選べなくなる可能性が生じることです。投票所であれば秘密投票が守られる仕組みになっていますが、「この候補者に投票してください」と指示されてしまった場合に、どのように対応するかが課題だと考えます。
Q. 最後に、若者へ向けたメッセージをお願いします。
現状、地方議会などは、何をしているかが見えにくいことが課題だと感じています。
私自身も政治家を目指すまでは、地方議会の役割はわかりませんでした。地方議会のメリットはスピードであり、一人一人の有権者の話を聞きながら迅速な制度設計や運営ができると考えています。だからこそ地方議会は「今、皆さんが本当に困っていること」に対してダイレクトに応えることができる。
若い人たちも一緒になって、困っている人が少なくなるようにぜひ興味をもっていただければと思います。
〈鎌田やすはる・かまだやすはる〉
・平成7年4月28日生まれ(27歳)
・横浜国立大学教育人間科学部 卒業
・大学卒業後は、糖尿病医療の薬剤普及や病院の経営支援に携わる
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