小さい頃から行ってきた地域活動
Q. 最初に自己紹介をお願いします。
高島りょうすけ、26歳です。昨年5月にアメリカのハーバード大学を卒業して、日本に帰ってきました。大学ではエネルギー工学、 環境工学を専攻していて、公共政策環境か公共政策を副専攻で勉強していました。大学在学中から7年間教育系のNPOの代表理事や、芦屋市役所でのインターンシップも経験しました。
中学からラグビーをやってて、大学でもアメリカでラグビーやってました。
Q. 高校、大学はどんな学生生活でしたか?
生徒会長をやっていたのが割と学校生活の中では大きな部分を占めていましたね。私の代はいわゆる学校行事、体育祭や文化祭を指揮する以外にも、いろんな生徒主体のプロジェクトをやろう、というテーマを打ち出して活動していました。
特に重視していたのが地域に出ることです。芦屋の総合運動公園という大きな公園で小学生向けのイベントをやったり、地元の小学校で授業をしたり、学校外に出て活動を続けていました。クラスのみんなで芦屋のサマーカーニバルという夏祭りでお店を出したこともありましたね。
アメリカで学んだリーダーシップ
Q. 大学はアメリカのハーバード大学に進学されたとのことですが、今に通じているアメリカでの学びはありますか?
やはり、リーダーシップですね。ハーバードは社会のリーダーを育てるという大学だったこともあって、 リーダーとして、どういうような人が組織を、社会を先導していくことができるのか。社会変革を自分で始められるのかについての学びは非常に大きかったです。
コロナ禍の対応でも、アメリカの中でいち早く学生寮の閉鎖を決断したんです。それに対する説明を寮長が納得いくまでしてくれたり、実家に戻るときの飛行機代も大学が全額負担してくれたり…。危機のときにリーダーシップは問われるなと痛感しました。
高校時代に感じた市政への関心
Q. そんな中で政治に関心を持ったのはいつ頃からですか?
小学校6年生のときに地元の市長が若返ったんです。そのあと街がどんどん変わっていく様子を目にしたのが、最大のきっかけです。
高校1年生のとき、模擬国連の全日本大会で最優秀賞を頂きました。その時に、市長表彰をしていただいたことがあったんです。直接市長とお話できる機会は二度とないだろうと少し時間を頂いて、色々質問しました。
そのときに、市政は生活に一番影響があるということ、そして市長が変われば街が変わるんだということを実感しました。そんな仕事っていいなと思ったんです。
Q. NPO法人留学フェローシップの活動にも通じる想いはありますか?
そうですね。大学1年のころから活動をしていたのは、ひとえに「人の成長を見る」のが好きだったからでした。7年間やってると、高校時代にプログラムに参加してくれた後輩が、海外の大学に入って、スタッフとして帰ってきてくれることもありました。そんなときに、やりがいを感じていました。
自分の行動で、社会がちょっと良くなるということを体感できたのも、すごく貴重な経験でした。その時は、自治体からの業務委託を受けて、まちづくりに中高生が関わるプログラムを作っていました。その取り組みも、目の前の中学生、高校生だけじゃなくて、地元の人たちから感謝していただくこともあったんです。例えば、地元の公園が良くなったりとか、お年寄りの方々との異世代交流をしたりとか。
社会を少しだけ良くすることができるというのは、すごく面白いし、楽しいんです。社会をよくするって面白い。これが多分根幹のモチベーションですね。
Q. そんな想いの中で今活動されている「芦屋」はどんな街ですか?
住環境でいうと日本一の街だと思います。自然環境がここまで残っていて、交通の便がすごくいいっていうのはなかなかないです。そして何よりも、この豊かな芦屋を作り続けてきた市民の方の力が、何よりも世界一の市であると胸を張れるところです。たくさんの市民の方とお話させていただく中で、本当にみなさんが芦屋のことを愛していて、「地域のために」という想いを持って活動されている方の多さにびっくりしました。
一方で見えてきた課題もあります。一つ大きな問題は若い世代が少ないことです。次の芦屋を担っていく世代が少ないことは重要な課題だからこそ、私達の世代ができることはたくさんあると思っています。高校時代やインターンでお世話になった芦屋という街に恩返ししたい、という想いが強いです。
高島りょうすけが感じる芦屋の課題
Q. 具体的にどのような取り組みが芦屋に必要だと思いますか?
現役世代と先輩世代それぞれに向けた支援が必要だと思ってます。
医療費の無償化は、周りの自治体に比べても芦屋が遅れている部分なので、すぐに取り組むべき課題です。
そして、教育環境の改善も必要だと思っています。個別最適化の教育が必要だと言われているけど、なかなか実現できていない。その原因は、やっぱり地方自治体のコミットメントの問題だと思っています。
例えば、学校の先生の忙しさを見ると、個別最適化はとてもじゃないけど、難しい状況があります。学校の先生の働き方を変えるところをまず軸に置きながらICT技術やAIドリルなども最近どんどん進んできている。だからこそ、1人1人の特性と状況にあった教育を、特に公立の学校でやりたいと強く思っています。
さらに具体的に言うと、生徒が主体になって学校校則を見直す取り組みを、行政・学校・生徒が連携して進めていくべきだと思っています。10代にとって一番身近な社会、規則である学校の中の校則について考えることは、若者の社会参加を高める意味でも非常に重要だと思ってます。
Q. 先輩世代に向けた取り組みはどうでしょうか?
芦屋の課題の一つは高齢化率の高さです。その中で在宅介護のニーズが高まっています。老老介護が今後増えてきて、お年寄りの方がもう1個上の世代の介護をするのはもっときつい。だからこそ、在宅で介護しやすいような、そこの部分を支援するために、介護人材の待遇改善も含めてやっていきたいなと思ってます。
もう一つは交通の問題もあります。坂道が多い街なので、高齢者の方が免許を返納していくのはなかなか難しい面もあります。そこをカバーしていくために公共交通の整備を進めていきたいですね。
時代の流れについていける人材が政治の現場に必要
Q. 高島さんのような若い世代が、政治に関わることの重要性はどこにあると思いますか?
極論でいうと、年齢はぶっちゃけ関係ないと思っています。もちろん、若い世代が政治に入っていくことは重要ではあります。ですが、単純な年齢の問題ではなくて、新しい技術、AIやChatGPTのような目まぐるしい変化に対してより柔軟に対応できる人材が増えるべきだと思っています。
政治に関わることが魅力的じゃない、ということに問題があると思っています。それこそ校則問題だとか、身近なところの成功体験を増やして、その結果社会や政治への関心が高まる流れを作っていくことが重要だと思います。
Q. 貴重なお話ありがとうございました。最後にメッセージをお願いします。
若くして挑戦していく中で、まだ早いと言われることもあります。それでも、僕は政治に希望も持っているし、「世界で一番住み続けたい街芦屋」というビジョンを実現するために、たくさんの方が力を貸してくれています。
政治に対するイメージは人それぞれあると思うんですけど、自分の身の回りをちょっとでもよくするために、自分の時間の0.001%ぐらいでもいいので使ってくれたら嬉しいです。
高島りょうすけ
・1997年2月生まれ(26歳)
・灘中高から米ハーバード大学を卒業
・大学在学中から7年間教育系のNPOの代表理事を務める
高島りょうすけさんのHPはこちら⏬
https://www.takashimaryosuke.jp/