トランプ大統領と金正日総書記が会談する歴史的な出来事になるはずの米朝会談。
先月に開催を発表してから、一時は中止が発表されたこともありました。
米朝会談はどうなったのでしょうか?
米朝会談、復活しました!
5月24日にはトランプ大統領により中止が発表されましたが、8日後の6月1日には再び開催することが決定。
日時は、変わらず6月12日にシンガポールで会談します。会談の詳細に関しては明かされていませんが、北朝鮮の非核化や経済支援を話すのと思われます。
消滅したのに、なぜ復活?
それでは、なぜ米朝会談は一時消滅したのでしょうか。
きっかけは北朝鮮側にありました。
北朝鮮は米朝会談を通じて、核兵器の放棄だけを強要させられ、非核化だけが進んで対価が得られないことへの懸念がありました。対価とは経済支援や板門店宣言に合意されたような、人道支援や社会文化交流などが考えられます。
このような懸念のために北朝鮮は5月中旬頃から米国批判に転じ、会談に対して態度を硬化させていきました。途中、ペンス副大統領と北朝鮮高官との間での批判合戦も行われた程でした。
そこで米国は、北朝鮮の態度に対して「会談中止」という不意打ちを仕込みました。トランプ大統領は、北朝鮮は結局は対話を求めていながらも、その過程で米国を試し、会談を有利に進めようとしているのだと見抜いた上での行動でした。
会談を本当は開催したい北朝鮮は、中止になったことにパニックになりました。そのため会談中止の発表の翌日には「いつでも対座する用意がある」と発表し、態度を急変しました。さらに韓国の文在寅大統領と会談し、会談の復活へ向けて動きました。
最後には、北朝鮮の高官をホワイトハウスに送り、新書を渡すことまでしました。そして、これを受け取ったトランプ大統領は受け取った同日の6月1日に米朝会談の復活を発表したのでした。
このように米朝会談の消滅から復活までの裏には、激しい米朝間での駆け引きがありました。
米朝会談で北朝鮮は非核化?
米朝会談で、北朝鮮問題の最重要課題である非核化はどうなるのでしょうか。
もともと、米国政府の立場としては、会談するならば早期の非核化を実行するというものでした。しかも、米国の言う非核化とは「完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化」という厳しいものでした。
トランプ大統領も当初はこの従来のスタンスを継承していました。しかし、米朝会談の開催や、中止からの復活の流れの中で、トランプ氏は会談を「(非核化)プロセの始まり」と繰り返し、米国が主張してきた早期の非核化が実現する可能性は遠のきつつあります。
また日本として気になる点としては、非核化後の経済支援に関しては米国ではなく、日本や韓国が主体となり取り組むべきという発言もしているのです。
同じ東アジアに住む日本人として、迫る6月12日米朝会談から目が離せません。
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