20代の挑戦者特集 日進市・吉野ゆうとさん

Q. 本日はよろしくお願いします。吉野さんのご趣味はなんですか?

うーん、知らない場所に行くこと、知らない領域の話を聴くことが好きです。政治活動を始める前は、こんなにも多くの人の話を聴くことはありませんでした。だからこそ、本当に多くの人の生き方・悩み・課題・希望を聴くのが、興味深い瞬間の連続で、すごく楽しいです。

そのおかげで、かなり市民の方にご紹介いただいくことができました。いろいろなイベント、会合、お祭りなど、ご挨拶に伺うことにも繋がりましたね。

 

Q. そういった場所に行ったとき、やはり「若いね」という反応はされますか?

はい、されますね。今の日進市議会議員の最年少が40歳で、20代・30代の政治家が今、日進市にいないんです。県議会議員なども含めて、この日進市から平成生まれの政治家が生まれたことがないので、若さをよりインパクトを持って受け止めていただくことが多いです。

 

Q. 吉野さんは、以前に世界一周をされたと伺ったのですが、どういった経緯で世界一周したのですか?

元々、高校生のときから国際協力に関心が高く、「生まれによる機会の不平等」をなくしたいという想いが強かったんです。その不平等の差が大きいのは、日本よりも途上国だろうと思い、高校3年生を休学して、クラウドファンディングなどでお金を集め、世界29か国に行きました。

目的が途上国について学ぶことだったので、ヨーロッパには一歩も足も踏み入れず、東南アジアや南アジア、アフリカ、南米にある途上国に行きました。ほとんどバスと鉄道を使って、テントで泊まりながら見て周りました。

 

Q. 特に印象に残った国・地域などはありましたか?

世界で最も人口密度の高い国・バングラデシュでは、ゴミ・下水・渋滞などの多くの社会課題があリマした。そこで見たのは、バングラデシュのゴミ収集車のほとんどは日本が寄付したものであるとか、安定した橋は日本の技術支援によるものであるとか。とても頼もしく思えました。

アフリカのケニアでは拘置所に行きました。そこでは、行政の停滞で8年間も拘置されている青年(拘置開始当時は少年)がいたんです。いわゆる学校を作るとか食糧支援だけでなくて、人材やノウハウという点でも日本が役に立つ点があるかもしれないと思いました。

一方で、ケニアって電子決済やタッチパネルは日本よりも圧倒的に進んでいることもわかりました。支援一辺倒になるのではなく、逆に学べることも多くあるということは忘れてはいけないと思います。

 

Q. こうした経験と政治家を目指すことは何か繋がりがあるのでしょうか?

僕はずっと「生まれによる機会の不平等」というものに憤りを感じ、なくしたいと思い、学び続けてきました。本当は海外で起業しようなんて思っていたんですけど、コロナ禍によって3年間日本に足止めされて叶いませんでした。結果的には、日本でフリースクールの立ち上げに関わらせていただいたり、自分でも塾の方で貧困家庭の方に無料で授業をするというキャンペーンを始めたりしました。

貧困世帯の場合、大学に行けば授業料免除という制度があります。しかし、そこに行くための塾代が高いという課題があり、日本にも生まれによる機会の不平等があるということを再認識させられました。むしろ、途上国に何もない青年が突然行ったところで、できることは少ないかもしれない。けれども、日本であれば何かできる気がすると思い、日本で活動してきましたが、民間ではできることの限界もあるなと感じました。

具体的に言えば、民間では、お金を支払うことのできない方にサービスを提供することが難しいという点です。資本の再分配ができて、困っている方や同じように憤りを感じている方のお役に立てるのは政治家だろうと思い、市議会議員になろうと決意しました。

 

Q. まずは日進市のなかの「生まれによる機会の不平等」を解決していくということでしょうか?

兵庫県明石市の泉市長の例にもある通り、一つの自治体が良い政策を実現させれば、他の自治体にも真似していただけるんですね。国から変えるとなると、議員さん700人もいるので、一人の声がなかなか届きにくいということがあります。

しかし、私の住んでいる日進市の場合は議員さんの人数が20人。力をあわせれば、まだ日本にない条例をつくることができるかもしれません。まだない予算をつけることもできるかもしれません。そういった部分でグッドプラクティスを出すことで、他の自治体に波及するような政策モデルを日進市から生み出していけたらと思っています。

更に、もっと大きな野望を話すと、日本は少子高齢化が進んでいます。タイや中国でも少子高齢化になりつつある。また、インドでも2100年から少子高齢化が進むと言われています。そういう状況になったときに、少子高齢化を食い止められる、もしくはソフトランディングできるような政策を日進市で実現したい、そうすれば、日進市はもちろん、日本ももちろん、似たような社会課題が起こっている国・地域にも真似していただけるような事例が作れるかもしれない。

特にいま日本では北欧モデルの教育を取り上げることが多いです。それに似た形で、「日進市の、日本の政策良いよね」となるようなところまで政治を進めていけたら良いなと思っています。日進市を良くしていきたいのは大前提で、更にその先を見据えていきたいということですね。

 

Q. 立候補するうえで、無所属の場合ですと個人情報が世の中に出てしまうわけですが、迷いやご苦労はなかったですか?

嫌です…!めちゃくちゃ嫌です!

なぜここまでも個人情報を全て出さなきゃいけないのか。メディアから調査表みたいなものが送られてきて、自分の経歴とかを書くんですが、家族構成を書く欄があって…。あとは、政策ビラの自分の顔写真の部分が真っ黒に塗られた郵送物が着払いで届いたり、ぐしゃぐしゃに丸まったリーフレットが庭に投げ込まれていたり…。本当に嫌です。

でもそれ以上に、社会に憤りがあって「変えたい、貢献したいという思いが勝ったから、出る」という形ですね。

 

Q. 若手政治家としての役割は何だと思いますか?

私はまだ結婚も子育ても未経験です。しかし、そういった世代の方々の思いや声というものも間違いなくあって、それを市政に届けていくということをしたいです。

例えば、現在は産後の手続きや困ったときにケアをしてもらうサービスの申し込みなども、市役所に行って紙で行う形式になっています。それを電子化して、わざわざ市役所に行かなくても良いようにしようと思っています。

また、若い世代は今後何十年もこの街に住む世代です。だからこそ、インフラの整備や、企業誘致による安定した税収の確保など、当事者目線だからこそできる、将来を見越した政策を実現していきたいです。短期的に見れば交通量の増加などのデメリットもあるかもしれませんが、そういった不安を抱える方とのコミュニケーションも積極的に行っていきたいと思っています。

他には、現職市議のあいだではまだまだ進んでいないインターネットでの情報発信や、多子世帯の子どもが同じ保育園に入れるような仕組みづくり、第2子以降の保育料の完全無償化も行っていきたいです。実は、日進市は、ここ2年間の人口増加率が県内でナンバーワンで、若い世代が増えているんです。だからこそ、若い世代の声を代表する政治家が日進市には必要だと考えています。

 

Q. 最後にメッセージをお願いします。

思っているよりも政治は身近です。特に子育てを始めたとき、それに気付くことも多いかもしれません。だから、今のうちに、政治に興味を持ち、わかることだけでも良いので、選挙に行ってほしい。

もし、もっと関心があると思ったら、政治家のSNS をフォローし、もし政治家を街で見かけることがあったら、自分の意見を伝えても良いと思います。そして、少しずつ政治との接点を増やしていっていただければ、本当に困ったときに、政治によりアクセスできると思います。

我々の世代は、正直、政治と距離があって、高齢者よりは優先順位が低いと言われる部分もあります。だからこそ、政治との接点を増やしていく必要があると思います。ぜひ一緒に頑張っていきましょう!

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