7月19日に都立高島高校で「経済的自立」をテーマに、主権者教育授業を実施しました。
授業の内容を少しだけ紹介します!
テーマを選んだ背景
前回、「成人年齢の引き下げ」をテーマにしたとき、高島高校2年生の皆さんに成人になったらやりたいことをアンケートで聞きました。その結果、「クレジットカードの契約をしたい」や「携帯電話を契約する」などのように、お金を必要とする取引に関心のある人がたくさんいることがわかりました。
そこで、今回は、お金をテーマにしたうえで、以下の2つを目的とした授業を作ることにしました。
【授業の目的】
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授業の内容
当日の授業は、①お金を稼ごう、②お金を使おう、③お金を貯めよう、④政治で変えられることの4つの構成に分けて行いました。
1つ目の「お金を稼ごう」では、5~6人で1つのグループをつくり、協力して考えるワークを行いました。1人1人が別の職業に就いたと想定し、大まかな生涯賃金を推測した後、賃金の格差について考えました。
2つ目の「お金を使おう」では、人生で使うお金の量を考えた後、1つ目で推測した生涯賃金と比較し、自分の人生計画だとどのくらいお金を稼がないといけないのかを考えました。1つ目のグループワークを踏まえて考えたときに、「これじゃ結婚できない!」という声もあがり、将来の夢をかなえるためにどうしたら良いのか、イメージをより具体化していきました。
↑授業で使った資料。男女の賃金格差や、生涯賃金が減少傾向にあることにも触れました。
そして、3つ目の「お金を貯めよう」では、投資の基礎知識を少しだけ紹介しました。投資については、今回授業で講師を担当した大学生スタッフもあまり親しみのあるものではなかったため、授業前に学生スタッフのみんなで投資について調べたり、教え合う時間を設けていました。授業では、銀行にお金を預けるのと、「つみたてNISA」を使うのとでは、どちらの方が良いのか、それぞれのメリット・デメリットを考えました。
最後の「政治で変えられること」では、簡単な模擬投票を行いました。簡単といっても、リアルな要素を含んでいます。AからCまでの3つの政党を紹介し、自分が投票したい政党に投票してもらいます。各政党はそれぞれ異なった若者向けの政策を掲げています。 実は、この政策は今年7月10日に行われた参議院選挙で各政党が掲げていたものを引用しています。どの政党の政策かは伏せたうえで投票してもらいました。投票の結果は、クラスによって全く異なる結果となりました。これは、どの政策を重視するかが人によって異なったためだと考えています。
↑授業の様子。今回の授業で投資に関する知識を共有してくださった「積立てるぞう」こと三浦光希さん
授業を終えて
高校生の皆さんから、たくさんの感想をいただきました。その中の一部を紹介します。
【授業の感想】
「改めて、選挙の大切さを再確認できました。 投資って難しいイメージがあったんですが、今日の授業で投資の見え方が変わりました。 素敵な講義ありがとうございました!」 「小難しい内容のはずなのに、とても楽しく受けることが出来たので、とても素晴らしい工夫をされていたのだと思いました。」 |
【選挙に対する考え】
「(選挙に行きたいと思った理由は、)国民一人一人に与えられた権利を「たった一票」と考えずに、この一票が自分の生活や日本を変えることになると思ったからです。 」 「政治少し面白かった」 「政治に参加して、できるだけ若い人のための政策を政治の人に行ってほしい。」 |
また、今回の授業に対するアンケートの結果から、嬉しい変化に気付きました。初回の5月の授業では、「選挙に行きたいと思うか」という調査で、「とてもそう思う」と回答した割合が16.1%であったのに対し、今回の授業では34.3%にまで増えていました。
全体的に見ても、選挙に行きたいと感じた人の割合が増えており、私たちの授業が高校生たちの記憶に残る授業になっていたら嬉しい限りです。
今回の授業を通して、お金という量で比べられるものと、若者に身近なテーマを掛け合わせたコンテンツが、当事者として親しみを持って興味を持ちやすいのかな、と感じました。
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