フランス大統領選挙「ザックリ」解説シリーズ。第三弾は「フランス大統領選の争点について」。
今回のフランス大統領選には大きく2つの論点があり、それぞれに大きく2つの立場があります。
各候補者を「グローバル派とナショナリズム派」、「左派と右派」に大別してみていきましょう!
みなさんはどっち派?
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最初の論点はグローバル化に賛成?反対?
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EUと共に発展しようというのが前者。フランスだけで発展しようというのが後者です。 それぞれの意見をまとめてみていきましょう。
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グローバル派は、フランスの発展はEUとともにあると考えています。
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EUは「人」「モノ」「サービス」「金」を共有しています。
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確かに「人」の共有で、移民難民の流入はあるけど、「モノ」「サービス」「金」を共有してるから、フランス製品めっちゃ売れる!売る場所ある!経済全体として発展できる! こんな考えを持っています。
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ちなみにリスボン条約の発効の際に欧州理事会のヘルマン・ファン=ロンパイ議長は、
「27の加盟国は、文学、芸術、言語のいずれも異なる。そして、それぞれの国に多様性がある。多様性は、私たちの財産、発展、力の源である。EUは寛容と尊厳の模範であり、また、そうでなければならない」と述べました。
グローバル派はEUの理念も達成しようという人々でもありますね!
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次にナショナリズム派の考えを紹介します。ナショナリズム派はEUで行動するよりも、フランスが一国で活動したほうがフランスの発展のためになると考えています。 それは「人」をEUと共有することのデメリットが大きいと考えているからです。
参照:フランス大統領選「ザックリ」解説シリーズ第二弾 フランスの社会課題について
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フランス人が払った税金をなぜ移民や難民のために使わなければいけないのか。移民に仕事を奪われる。EUの国々からの人の流入を止めたい。フランスはフランス人のための政治をするべきだ。
このような「人」の流入に関する不満があります。
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また、「金」の共有に関しても批判的な意見があります。
EUの加盟国はお金に関する政策を自分の国で勝手に決めることができません。みんなで発展していこうという考えのEUにおいて、フランスはEU内の経済力のない国々のためにお金を負担しなければいけないのです。
なぜ自分たちの労働の結晶が浪費国の赤字を埋めるのに使われなきゃいけないのかという不満があるのです。 実際EUのお蔭で発展している部分もあれば、苦しくなって部分もあるのは事実。
さあ、みなさんはどっち派でしょうか?
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次の論点は経済・社会政策について、リベラル?保守?
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「右派」「左派」の言葉の発祥地でもあるフランス。 フランス人は割と自分の政治的ポジションが左右ではっきり分かれているそうです。政治家はそれに合わせてあえて自分を「右」や「左」とラベリングするとか。
さてそんな左右ですが、それぞれの考え方について触れていきましょう。
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リベラルの考え方は大きな政府によって、政府がいろいろな面倒をみてあげようというものです。
そうして、自分たちの人生を自由に生きるための政策を実行することを目指しています。
例えば、労働時間を減らして自由な時間を増やそう!働かなくても最低限生活に必要なお金を支給しよう!大麻をOKにしよう!同性婚を認めよう!
このような政策を思索しているのがリベラルの政治家です。
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保守の考え方は 小さい政府によって、ひとりひとりが自立して生きていけるような政策を実行しようというものです。
政府が何でもかんでも面倒を見てくれるなんて、お金がかかる!税金が沢山必要なんだよ?いいの?嫌でしょ?もっと税金減らそうよ!
一生懸命頑張った人はどんどん豊かになるのが良い。稼げば稼いだだけ税金(所得税)が増えたらそりゃあ稼ぐ気にならないじゃないか。
それに、何でもかんでも自由にしちゃうのもよくない!自立して生きていくためには、規律ある社会の方が素敵だ。
それに、何でもかんでも「変える」時には、変わる前に幸せだった人たちが不幸せになるかもしれないんだよ?今、そんなにみんなは不幸せかい?同性婚とか、大麻とかそういうのをOKにするなんてナンセンスだよ。
このような考えが保守の考えです。
弱者の救済も大事だけど、自立して生きていくことも大事。
みなさんはどっち派?
そして、縦軸にグローバル化に賛成か反対か、横軸に社会・経済政策においてリベラルか保守かをおいてグラフにすると、このようになります。
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さらに主要候補と言われる人たちをグラフ上においてみましょう。
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極右政党といわれる国民戦線FNの党首ルペン、急進左派の左派党メランション、社会党のアモン、中道右派の統一候補で共和党のフィヨン、無所属だが勢いのあるマクロン。それぞれの位置がわかります。
今までの右と左の軸のみでは語ることのできなくなった今回のフランス大統領選挙。右と左という横軸に加えて、グローバリズムとナショナリズムという縦軸が考えられます。
大国フランスがもしEUを離脱したらどうなるのだろうか。EUそのものの崩壊も危ぶまれるかもしれません。逆に、EUが向かう先に明るい未来はあるのか。
元々フランス人がもっていた自分が右か左かという感覚に加えて、グローバリズムかナショナリズムかという争点はそれぞれの候補者の論調を複雑化しています。
どの大統領が生まれるかによって、当然フランスの行く末は「大きく」変化します。
みなさんだったら、どんな選択を取りますか?
Fin.
参考
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eu/ecb_gaiyou.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol53/
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/k_seisaku/eu.html
http://diamond.jp/articles/-/84630?page=3 http://newsphere.jp/world-report/20150708-1/
http://note.masm.jp/%B6%A6%C4%CC%C7%C0%B6%C8%C0%AF%BA%F6/
https://www3.nhk.or.jp/news/special/frenchpresident2017/