6月12日にシンガポールで行われる米朝首脳会談。
因縁の敵国同士であるアメリカ合衆国と北朝鮮による首脳会談は史上初であり、歴史に刻み込まれる瞬間になることは間違いありません。
日本でも連日報道されている米朝首脳会談ですが、アメリカ人はどのように捉えているのでしょうか?
米国民の8割がトランプの決断に賛成!
CNNの調査によると、トランプ大統領の「米朝首脳会談」という決断に、米国民の77%が賛成しています。
史上稀に見る支持率の低さで知られているトランプ大統領にとって、ここまで高い支持率は異例であり、11月の中間選挙(アメリカの国会議員を決める総選挙)に向けて大きな飛躍となりました。
確かに、もし本当にトランプ大統領が武力衝突なく「対話だけで」北朝鮮の非核化や民主化を成し遂げることができたら、歴史的な偉業として広く知られることになるかもしれません。
そもそも、どういう経緯で米朝会談に?
では、そもそもなぜ米朝首脳会談をすることになったのでしょうか?
もともと、北朝鮮の核開発をめぐり、日本や米国が厳しい経済制裁を課していました。それを受けて北朝鮮経済は疲弊し、困窮します。しかしそれでも北朝鮮は核開発を繰り返し、ついに核兵器を開発させたのではないかと言われています。
ついに衝突かと思われた2017年でしたが、北朝鮮の平昌五輪参加をきっかけに一気に「雪どけ」が進み、ついに4月下旬になって北朝鮮側がアメリカとの会談を提案してきました。しかし最近になってまた北朝鮮が会談撤回を示唆するなど、予断を許さない状況がまだ続いています。
日本にとって米朝会談はいいこと?悪いこと?
では、米朝会談は日本にとってどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリットの一つとして、北朝鮮の非核化が進む可能性があることがあげられます。米朝会談がうまくいき、朝鮮半島の非核化が達成される目星がつけば、日本は北朝鮮の核の脅威から解放されることになります。また、「北朝鮮が対話路線に戻ってきたのは日本が一貫して主導・提唱してきた圧力路線を、アメリカをはじめとする国際社会が採用してきたからだ」とする考え方もあり、そうすると北朝鮮が対話のテーブルについてくれたのも日本の功績も少なくないかもしれません。
しかし、懸念もあります。アメリカが求めるのは「非核化」や「大陸間弾道ミサイルの破棄」であり、その理由は「アメリカ本土まで届く飛距離のミサイルと、そのミサイルに装填できる核」がアメリカにとって非常に脅威となるからです。言い返せば、核と大陸間弾道ミサイルさえ放棄してくれればアメリカの目的は達成されたことになります。そうすると忘れられてしまうのが、日本に届く短・中距離ミサイル。アメリカが自国の安全を優先した結果、短・中距離ミサイルの破棄は見送られ、日本をはじめとする隣国の安全確保が後回しにされる可能性があります。
また、会談がもし失敗してしまったら・・・。どんな結末となるかどうかはわかりませんが、戦争のリスクはぐっと高くなります。とにかく、シンガポールでの会談が荒れ模様にならないことを祈るばかりです・・・。
Newsweek記事
https://www.google.co.jp/amp/s/www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2018/03/post-9683.php
産経新聞記事
https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/premium/amp/180517/prm1805170008-a.html
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